フロッピーディスクは以下の理由によって、 実際にバックアップをつくるための適切なメディアではありません。
メディアの信頼性が (特に長期間の場合) 低い。
バックアップとリストアがとても遅い。
容量が非常に小さい (1 ダースかそこらのフロッピーディスクに ハードディスク全体をバックアップしていた時代は、 はるか遠くに過ぎ去りました)。
しかしながら、データをバックアップする他の手段がないのなら、 バックアップを取らないよりもフロッピーディスクを使う方がましでしょう。
フロッピーディスクを使用せざるを得ないときは、 品質のよいディスクを使用してください。 事務所のその辺に数年転がっていたフロッピーは使わない方が良いでしょう。 評判のよいメーカの新しいディスクを使用することが理想です。
フロッピーにバックアップする最もよい方法は、
-M
(マルチボリューム) オプション付きで
tar(1) コマンドを使用することです。これで、
複数のフロッピーにわたってバックアップすることが可能になります。
カレントディレクトリとサブディレクトリ内のすべてのファイルをバックアップするには、
以下のコマンドを (root
権限で)
使用します。
#
tar Mcvf /dev/fd0 *
1 枚目のフロッピーが一杯になると、 tar(1) は次のボリュームを挿入するように要求します (tar(1) はさまざまなメディアを扱えるので、 ボリュームと表示します。この文脈ではフロッピーディスクのことです)。
Prepare volume #2 for /dev/fd0 and hit return:
指定したファイルがすべて保存されるまで (ボリューム番号を増やしながら) これが繰り返されます。
残念なことに tar(1) はマルチボリュームアーカイブに対して、
-z
オプションを使うことができません。
もちろん、すべてのファイルを gzip(1) で圧縮し、
それらを tar(1) を用いてフロッピーに保存して、
それから再び gunzip(1) することはできます。
すべてのアーカイブをリストアするには以下のようにします。
#
tar Mxvf /dev/fd0
特定のファイルだけをリストアするには 2 つの方法があります。 1 つ目は、1 枚目のフロッピーを用いて以下のようにするものです。
#
tar Mxvf /dev/fd0 filename
tar(1) ユーティリティは、 必要なファイルを見つけるまで次のディスクを挿入するように要求します。
もう 1 つは、 必要なファイルがどのフロッピーに保存されているか分かっている場合、 そのフロッピーを挿入して上記と同じコマンドを使用するだけでもよいです。 あるフロッピー上にある 1 番目のファイルが、 その前のフロッピーから続いている場合は、 そのファイルのリストアを要求していなくても tar(1) はそれをリストアできないと警告することに注意してください!
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