5.4. バイナリ packages の利用

寄稿: Lee Chern [FAMILY Given].

現在 FreeBSD は、新しい packages 管理ツールへと移行中です。 最新リリースのユーザは、 PKGng による FreeBSD のサードパーティ製ソフトウェア管理の利用を検討してください。 pkgng ツールに移行していないユーザは、 この節で説明するツールを用いて package のデータベースを管理してください。 sysinstall ユーティリティを用いると、 インストール後の package 管理を簡単にできます。

すべての package のインストールファイルは、 package のデータベース用のディレクトリである /var/db/pkg に保存されます。

5.4.1. package のインストール

pkg_add(1) は、ローカルファイルやネットワーク上のサーバから FreeBSD バイナリ package をインストールするためのユーティリティです。

例5.1 手動で package をダウンロードしてローカルからインストールする
# ftp -a ftp2.FreeBSD.org
Connected to ftp2.FreeBSD.org.
220 ftp2.FreeBSD.org FTP server (Version 6.00LS) ready.
331 Guest login ok, send your email address as password.
230-
230-     This machine is in Vienna, VA, USA, hosted by Verio.
230-         Questions? E-mail freebsd@vienna.verio.net.
230-
230-
230 Guest login ok, access restrictions apply.
Remote system type is UNIX.
Using binary mode to transfer files.
ftp> cd /pub/FreeBSD/ports/packages/sysutils/
250 CWD command successful.
ftp> get lsof-4.56.4.tgz
local: lsof-4.56.4.tgz remote: lsof-4.56.4.tgz
200 PORT command successful.
150 Opening BINARY mode data connection for 'lsof-4.56.4.tgz' (92375 bytes).
100% |**************************************************| 92375       00:00 ETA
226 Transfer complete.
92375 bytes received in 5.60 seconds (16.11 KB/s)
ftp> exit
# pkg_add lsof-4.56.4.tgz

FreeBSD CD-ROM セットのような、ローカルな packages がない場合は、 pkg_add(1)-r オプションを付け加えてください。 このオプションを指定して実行すると、 自動的に適切なオブジェクトの形式とリリースを判断し、 package を FTP サイトからダウンロードしてインストールします。 ユーザはこのほかに何もする必要はありません。

# pkg_add -r lsof

別の FreeBSD FTP ミラーサイトを使うには、 PACKAGESITE 環境変数に利用したいサイトを設定してください。 pkg_add(1) は、FTP_PASSIVE_MODE, FTP_PROXY, FTP_PASSWORD といった環境変数を使う fetch(3) を用いてファイルをダウンロードします。 ファイアウォールの内側であったり、 FTP/HTTP プロキシを使う場合には、 これらの環境変数を設定することになります。 環境変数の一覧については fetch(3) をご覧ください。 また、上の例で lsof-4.56.4 の代わりに lsof を使っていることに注意してください。 リモートフェッチ機能を使用する場合には、 package のバージョン番号を取り除かなければなりません。

注記:

FreeBSD-CURRENT または、FreeBSD-STABLE を使用している場合、 pkg_add(1) は自動的に最新版のアプリケーションをダウンロードします。 -RELEASE を使用している場合には、 そのバージョンのリリース時にビルドされた package をダウンロードします。 この設定は PACKAGESITE を上書きすることで変更できます。 たとえば、FreeBSD 8.1-RELEASE を使用している場合には、 pkg_add(1) を実行するとデフォルトで ftp://ftp.freebsd.org/pub/FreeBSD/ports/i386/packages-8.1-release/Latest/ から packages をダウンロードします。 pkg_add(1) を使って FreeBSD 8-STABLE の packages をダウンロードするには、 PACKAGESITE 環境変数を ftp://ftp.freebsd.org/pub/FreeBSD/ports/i386/packages-8-stable/Latest/ に設定してください。

package は .tgz.tbz という拡張子を持つファイルとして配布されており、 ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/ports/packages/ や FreeBSD DVD の /packages ディレクトリにあります。 packages ディレクトリのレイアウトは、 /usr/ports ツリーのものと同様です。 カテゴリごとにディレクトリがあり、 All ディレクトリにはすべての package があります。

package システムのディレクトリ構造は ports のレイアウトと同一です。 両者が組み合わさって package/port システムが構成されます。

5.4.2. packages の管理

pkg_info(1) は、インストールされている packages の一覧と説明を表示します。

# pkg_info
colordiff-1.0.13    A tool to colorize diff output
docbook-1.2         Meta-port for the different versions of the DocBook DTD
...

pkg_version(1) は、インストールされている packages のバージョンを要約して表示します。 また、package のバージョンを、 現在の ports ツリーのバージョンと比較します。

# pkg_version
colordiff                   =
docbook                     =
...

2 列目の記号は、インストールされているバージョンの ローカル ports ツリーのバージョンに対する 新旧を表します。

記号意味
=インストールされている package のバージョンは、 ローカル ports ツリーのものと一致しています。
<インストールされている package のバージョンは、 ローカルにある ports ツリーのものより古いです。
>インストールされている package のバージョンは、 ローカルにある ports ツリーのものより新しいです。 すなわち、ローカルの ports ツリーはおそらく古くなっています。
?インストールされた package を ports インデックスの中に見つけることができません。 インストールされた port が Ports Collection から削除されたり、 名前が変更された場合などに起こります。
*複数のバージョンの package が存在します。
!インストールされた package はインデックス中に存在しますが、何らかの理由で、 インストールされた package のバージョン番号をインデックス中のエントリと比較できません。

5.4.3. package の削除

インストールされている package を削除するには、 pkg_delete(1) を使ってください。

# pkg_delete xchat-1.7.1

pkg_delete(1) は package 名とバージョン番号の両方を必要とします。 すなわち、先ほどの例において xchat-1.7.1xchat とした場合には動作しません。 pkg_version(1) を使ってインストールされている package のバージョンを調べるか、ワイルドカードを使ってください。

# pkg_delete xchat\*

上の例では、名前が xchat で始まるすべての packages が削除されます。

本文書、および他の文書は ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/doc/ からダウンロードできます。

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