訳:
Mitsuru IWASAKI <iwasaki@FreeBSD.org>
、
むらたしゅういちろう <mrt@mickey.ai.kyutech.ac.jp>
、
1997 年 11 月 8 日
1.1. | FreeBSD を入手するには、どのファイルをダウンロードすれば良いのでしょうか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
FreeBSD 3.1-RELEASE 以前では、
インストールの際に必要なのは
(DOS ファイルシステムからのインストールなどで) あなた自身が手動で配布ファイルをダウンロードする場合には、 以下の配布ファイルをダウンロードすることをおすすめします。
この手順の完全な説明と、一般的なインストール時の問題については FreeBSD ハンドブックのインストールの節 を参照してください。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.2. | ブートフロッピーイメージが一枚のフロッピーディスクに納まらないみたい! | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
3.5 インチ (1.44MB) のフロッピーディスクには、 1474560 バイトのデータを格納できます。 ブートイメージはちょうど 1474560 バイトの大きさです。 ブートフロッピーディスクを準備する際のよくある間違いには、 以下のものがあります。
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1.3. | FreeBSD のインストールについての説明書はどこにありますか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
インストールの説明書はFreeBSD ハンドブックのインストールの章にあります。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.4. | FreeBSD を動作させるには何が必要ですか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
386 以上の PC、5MB 以上の RAM、 そして最低 60MB のハードディスク容量が必要となります。 ローエンドの MDA カードでも動作しますが、 X11R6 を使うには VGA かそれ以上のビデオカードが必要となります。 2章ハードウェアコンパチビリティ もご覧ください。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.5. | 4MB しかメモリがないのですが、インストールできますか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
4MB のシステムにインストールできた最後の FreeBSD は FreeBSD 2.1.7 でした。2.2 を含むより新しいバージョンの FreeBSD は新規のインストールに最低 5MB は必要になります。 ただし、インストールプログラムが 4MB では動作しないだけで、 3.0 を含む FreeBSD のすべてのバージョンは 4MB の RAM で動作可能です。 インストールする時だけさらに 4MB 追加しておき、 システムがセットアップされて動作するようになった後、 また 4MB を取り出して元に戻すこともできます。 あるいは 4MB より多くメモリを搭載したシステムにディスクを持っていき、 そのマシンでインストールした後にディスクを戻すこともできます。 また、FreeBSD 2.1.7 であっても、4MB ではインストールできない場合があります。 正確には、640KB のベースメモリ + 3MB の拡張メモリでは、 インストールはできません。もしマシンのマザーボードが 640KB から 1MB の領域で「失われた」メモリを再マップできる場合は、 FreeBSD 2.1.7 をインストールできるかもしれません。 BIOS のセットアップ画面で、「remap」 のオプションを探して有効 (enable) にしてみてください。 また、ROM shadowing を無効 (disable) にする必要もあります。 簡単なやり方としては、インストールする時だけあと 4MB 追加しておく方法があります。 必要なオプションだけを選択してカスタムカーネルを構築し、 また 4MB を取り出してもとに戻せばいいのです。 また、2.0.5 をインストールして、 それから 2.1.7 のインストーラの 「upgrade」 オプションでシステムを 2.1.7 へアップグレード するというやり方もあります。 インストールしたあとでカスタムカーネルの構築をした場合には、 4MB でも動作します。 2MB で起動に成功した人もいます (でもそのシステムは、 ほとんど使いものになりませんでした :-))。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.6. | 自分用のインストールフロッピーを作るには? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
現在はカスタムインストールフロッピーディスク「だけ」を作る方法はありません。 カスタムインストールフロッピーディスクイメージを含む、 release 環境全体を新たに作る必要があります。 カスタムの release 環境をつくるには、 ここの指示にしたがってください。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.7. | 同じマシンで Windows 95/98 と共存できますか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
まず Windows 95/98 をインストールしてから、そのあとで FreeBSD をインストールしてください。FreeBSD のブートマネージャが Win95 と FreeBSD のブート管理をしてくれるようになります。 Windows 95/98 を後にインストールした場合はひどいことに、 問い合わせることもなくブートマネージャを上書きしてしまいます。 そうなってしまった場合は次の節をご覧ください。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.8. | Windows 95/98 がブートマネージャを潰しちゃった! どうやって戻すの? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ブートマネージャの再インストールの方法として、 FreeBSD では以下に示す三通りの方法が用意されています。
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1.9. | IBM Thinkpad の A、T、X シリーズのいずれかを持っています。 FreeBSD をインストールしたら起動しなくなってしまいました。 どうすればいいですか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
これらのマシンに使われている初期のリビジョンの IBM BIOS にはバグがあり、FreeBSD のパーティションをディスクサスペンド用の FAT 領域だと誤認します。 そのため、BIOS が FreeBSD のパーティションを 検出したところでシステムがハング (停止) してしまいます。 IBM [1] によれば、以下のモデル/BIOS リリース番号には修正が含まれています。
それより新しいリビジョンの BIOS にまたバグが入り込んだか
もしれないという報告がありました。Jacques Vidrine は
もし問題のある BIOS を使っていてアップグレードが選べない場合、 FreeBSD をインストールしてから FreeBSD が使っているパーティション ID を変更し、 変更されたパーティション ID を正しく扱うことのできる 新しい起動ブロックをインストールすることで解決することができます。 それにはまず、 セルフテスト画面を通過する状態にまでマシンを回復させる必要があります。 そのためには、マシンがプライマリディスクから FreeBSD パーティションを見つけないようにして起動しなければなりません。 たとえば、一度ハードディスクを外してしまって、そのディスクを古い ThinkPad (ThinkPad 600 など) やデスクトップ PC に適切な変換ケーブルで接続します。 その後 FreeBSD のパーティションを削除し、 ハードディスクを元の ThinkPad に戻します。 こうすることで ThinkPad は起動可能な状態に戻るはずです。 マシンがちゃんと動くようになったら、 以下の復旧手順に従って FreeBSD をインストールすることができます。
この方法で FreeBSD と OpenBSD をデュアルブートする方法は、読者への練習問題としましょう。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.10. | 不良ブロックのあるディスクにインストールできますか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
FreeBSD 3.0 以前のシステムでは、
不良ブロックを自動的に再マッピングする
現在の IDE ドライブで不良ブロックによるエラーが発生した場合、 まもなくドライブが故障する可能性があります (それはそのドライブ内蔵の再マッピング機能では 不良ブロックが修正できなくなったということであり、 ディスクがひどく壊れていることを意味します)。 新しいハードディスクドライブに交換しましょう。 不良ブロックのある SCSI ドライブの場合は、 この回答を参照してください。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.11. | インストーラから起動したら変なことになりました! | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
インストーラから起動しようとしたときに、マシンが固まってし まうとか自然と再起動してしまうといった現象であれば、 次の三つの項目を確認してください。
また、Netscape でブートイメージをダウンロードする場合も問題があることが報告されていますので、 できれば別の FTP クライアントを使うのがよいでしょう。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.12. | ATAPI CD-ROM から起動したのですが、 インストールプログラムは CD-ROM が見つかりませんと言ってきます。 CD-ROM はどこに行ってしまったのでしょうか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この問題は通常、CD-ROM ドライブの設定ミスによって発生します。 大部分の PC の CD-ROM ドライブは、 セカンダリ側の IDE コントローラのスレーブデバイスとして接続され、 マスタデバイスがない状態で出荷されています。 この接続方法は ATAPI 規格違反なので、 Windows は規格どおりに動いたり、動かなかったりしますが、 BIOS は起動時に規格違反を無視します。 そのため BIOS は起動時に CD-ROM を見つけられますが、 FreeBSD は CD-ROM を見つけられず、 インストールを完了できないのです。 CD-ROM が 接続されている IDE コントローラのマスタデバイスとなるように設定するか、 もしくはマスタ、 スレーブの両方にデバイスが接続されているようにシステムを再構成してください。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.13. | あれれ? テープからインストールできません! | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
FreeBSD 2.1.7R をテープからインストールする場合、 tar ブロックサイズを 10 (5120 バイト) にしたテープを作る必要があります。 デフォルト の tar ブロックサイズは 20 (10240 バイト) で、 このデフォルトサイズで作られたテープでは FreeBSD 2.1.7R をインストールすることはできません。 もしこうしたテープを使うと、 レコードサイズが大きすぎるというエラーが起きることになります。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.14. | PLIP 経由で二つ FreeBSD box を接続したいのですが | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Laplink パラレルケーブルを用意して、
両方の PC のカーネルに % dmesg | grep lp
lpt0 at 0x378-0x37f irq 7 on isa
lpt0: Interrupt-driven port
lp0: TCP/IP capable interfaceパラレルインタフェースに Laplink パラレルケーブルを接続します。
max <-----> moritz
IP Address 10.0.0.1 10.0.0.2 max 側で次のようにして、 # ifconfig lp0 10.0.0.1 10.0.0.2 moritz 側で同様に次のようにします。 # ifconfig lp0 10.0.0.2 10.0.0.1 以上です! lp(4) と lpt(4) のマニュアルページも参照してください。 また、
127.0.0.1 localhost.my.domain localhost
10.0.0.1 max.my.domain max
10.0.0.2 moritz.my.domain moritz 動作確認は次のようにします。
% ifconfig lp0
lp0: flags=8851<UP,POINTOPOINT,RUNNING,SIMPLEX,MULTICAST> mtu 1500
inet 10.0.0.1 --> 10.0.0.2 netmask 0xff000000% netstat -r
Routing tables
Internet:
Destination Gateway Flags Refs Use Netif Expire
moritz max UH 4 127592 lp0% ping -c 4 moritz
PING moritz (10.0.0.2): 56 data bytes
64 bytes from 10.0.0.2: icmp_seq=0 ttl=255 time=2.774 ms
64 bytes from 10.0.0.2: icmp_seq=1 ttl=255 time=2.530 ms
64 bytes from 10.0.0.2: icmp_seq=2 ttl=255 time=2.556 ms
64 bytes from 10.0.0.2: icmp_seq=3 ttl=255 time=2.714 ms
--- moritz ping statistics ---
4 packets transmitted, 4 packets received, 0% packet loss
round-trip min/avg/max/stddev = 2.530/2.643/2.774/0.103 ms | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.15. | ラップトップ PC に PLIP 経由でインストールできますか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
次のようにして、二つのコンピュータを Laplink パラレルケーブルで接続してください。 表1.1 ネットワーク接続用のパラレルケーブルの結線
また、 Mobile Computing についてのページもご覧ください。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.16. | ハードディスクドライブには、 どのジオメトリを使うべきでしょうか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
注記:ここでディスクの「ジオメトリ」とは、ディスクのシリンダ、ヘッダ、 トラック当りのセクタの数を意味しています - 便宜上、 C/H/S とすることにします。これはディスクのどの領域で読み書きを 行なうかを PC の BIOS が決定する手段となります。 これについてはある理由のために、誤解されている点が多いようです。 まず最初に、FreeBSD はディスクブロックで動作しているため、 SCSI ドライブの 「物理的」 なジオメトリという言い方は、 まったく見当違いのものです。事実、 セクタの密度はディスクによってまちまちであるため、 物理的なジオメトリというものは存在しません。 製造者が 「本当の」 物理的なジオメトリと公表しているものは通常、 彼らが検査して得た最小の使用不可容量の結果のジオメトリのことです。 IDE の場合、FreeBSD は C/H/S で動作しますが、 最近のドライブはすべて、これを内部で参照するブロックに変換しています。 問題はとなるのは論理的なジオメトリです。 これは BIOS がそのディスクのジオメトリについて調べた際に取得されるものであり、 その後のディスクへのアクセスに使用します。 FreeBSD は起動時に BIOS を使用するため、 これを正しく取得することは非常に重要なことなのです。 実際に、ディスク上に複数のオペレーティングシステムがある場合は、 ジオメトリはどこからでも同じように解釈される必要があります。 そうしないと、起動時に深刻な問題が発生します。 SCSI ディスクでは、 使用するジオメトリはコントローラの拡張 BIOS トランスレーション (「>1GB の DOS ディスクドライブのサポート」 とも呼ばれます) が有効になっているかどうかによります。 無効になっている場合、N シリンダ、64 ヘッド、 32 セクタ/トラックを使用しますが、 ここで `N' は MB 単位のディスク容量です。 たとえば、2GB ディスクは見かけ上 2048 シリンダ、64 ヘッド、 32 セクタ/トラックとなります。 それが「有効」になっており (MS-DOS ではこの方法で、ある制限を回避する場合もあります)、 ディスク容量が 1GB を越える場合は、M シリンダ、 63 セクタ/トラック (64 「ではなく」)、 255 ヘッドを使用します。 `M' は MB 単位のディスク容量を 7.844238(!) で割った値となります。 ということで、2GB ディスクの例では、 261 シリンダ、63 セクタ/トラック、255 ヘッドとなります。 (訳注: 以上は Adaptec 社と NCR 社製の SCSI アダプタの場合です。 SCSI アダプタによって変換の数値が変わってくるのでマニュアルを 参照してください)。 これについてよく分からない場合や FreeBSD がインストール中に正しくジオメトリを取得できない場合、 これを回避するもっとも簡単な方法は、 ディスクに小さな DOS パーティションを作ることです。 そうすると正しいジオメトリが取得されるはずです (そして、 残しておきたくないとか、 ネットワークカードのプログラミング用に使いたい場合などには、 いつでもパーティションエディタで DOS パーティションを削除することができます)。
もう一つの方法として、FreeBSD
と一緒に配布されているフリーで使えるユーティリティに
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1.17. | ディスクの分割の仕方で何か制限はありますか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
はい。 BIOS がカーネルを起動できるようにルートパーティションが 1024 シリンダ以内にあることを確認する必要があります (これは FreeBSD ではなく PC の BIOS の制限です)。 SCSI ドライブでは、通常はルートパーティションが最初の 1024MB に収まっていることが前提となります (または拡張 BIOS トランスレーションが有効になっている場合は最初の 4096MB - 他の質問をご覧ください)。IDE でそれに相当する値は 504MB となります (訳注: E-IDE 対応の BIOS 搭載マシンの場合は IDE の 504MB という制限はありません)。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.18. | 大容量ディスクを持っていますが、ディスクマネージャは使えますか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
FreeBSD は Ontrack Disk Manager を認識し、これを考慮にいれます。 他のディスクマネージャはサポートしません。 ディスク全体を FreeBSD で使いたい場合、 ディスクマネージャは必要ありません。 BIOS が扱える容量 (通常 504MB) いっぱいでディスクの設定を行なうと、 FreeBSD は実際の容量を算出するはずです。 MFM コントローラ付きの古いディスクを使っている場合は、 FreeBSD に使用するシリンダ数を詳細に指定する必要があります。 FreeBSD と他のオペレーティングシステムが入っているディスクを使用したい場合は、 ディスクマネージャなしでもできるでしょう。 FreeBSD の起動パーティションと他のオペレーティングシステム用のスライスが、 最初の 1024 シリンダ内に収まっている事を確認するだけです。 気になる方は、起動パーティションを 20 メガバイトぐらいにして大きめにするとよいでしょう。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.19. | FreeBSD の起動時に
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これは FreeBSD や DOS、 そのほかの OS がディスク領域ジオメトリ のとらえ方で衝突しあっていることから起こる典型的な例です。 こうなったら FreeBSD をインストールし直す以外にはありませんが、 他のところで説明した手順にしたがってやれば、 ほぼ間違いなくうまくいくはずです。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.20. | ブートマネージャの | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
これはすでに前に質問されている問題のもう一つの症状です。
BIOS のジオメトリと FreeBSD のジオメトリ設定が一致していないのです!
コントローラや BIOS がシリンダの変換 ( | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.21. | ソースを全部インストールする必要はありますか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
一般的には「いいえ」です。
しかし最低でも、 ソースをネットワーク上に持ち、 そこからシステムをビルドするようにしておけば、 FreeBSD の将来のリリースへのアップグレードがずっと簡単になります。 実際にソースのサブセットを選択するには、 システムインストールツールの「配布ファイル」メニューにある、 「カスタム」メニューを使用します。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.22. | カーネルは必ず作り直さなくちゃならないんですか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
カーネルを新しく作り直すのは元々、
FreeBSD のインストール時に必須の作業でした。
でも最近のリリースでは、
とてもユーザフレンドリなカーネル設定ツールの恩恵を受けています。
FreeBSD の起動プロンプト (boot:) で 今でも、 必要なデバイスドライバだけを組み込んだカーネルを作ることはよい事とされています。 ほんのちょっとだけメモリを節約できますからね。 でもほとんどのシステムでは、 もはやどうしてもやらなくちゃならないことではないのです。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.23. | DES と MD5、どちらのパスワードを使うべきなのでしょうか? また、ユーザがどちらを使うことになるか指定する方法はありますか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
FreeBSD の標準のパスワードフォーマットは
MD5 を使ったものです。 これは
DES アルゴリズムに基づいた手法を用いる
UNIX の伝統的なパスワードフォーマットより安全 (secure) だと
信じられているものです。 DES パスワードは
あなたが FreeBSD のパスワードファイルを、
安全性に劣るパスワードフォーマットを利用している古い OS
と共有しなければならなくなったときのために
利用可能になっています (これは利用するためには、
sysinstall から 「crypto」 配布物のインストール
選ぶか、ソースから build しているなら、
crypto のソースがインストールされている必要があります)。
新しいパスワードにどちらのパスワードフォーマットを使うかは
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1.24. | ブートフロッピーで起動すると、
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IDE Zip か Jaz ドライブが接続されていたら、 それを取り外してもう一度試してみましょう。 ブートフロッピーはこの種のドライブを誤認してしまうのです。 システムがインストールされた後は、そのドライブを再度接続することができます。 うまくいけばこの問題は将来のリリースで解決されるでしょう。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.25. | インストール終了後にシステムを再起動すると、
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このエラーはディスクデバイスについて、 起動ブロックとカーネルの認識が混乱しているために起こります。 このエラーは通常、 2 台の IDE ディスクがそれぞれ別の IDE コントローラのマスターに一つずつ接続されているシステムにおいて、 FreeBSD がセカンダリ IDE コントローラに接続されたディスクにインストールされている場合に発生します。 起動ブロックは FreeBSD が wd1 (2 台目の BIOS ディスク) にインストール されていると認識するのに対し、 カーネルはセカンダリ IDE の 1 台目のハードディスクである wd2 にインストールされていると認識するのです。 デバイス検出後で、 カーネルは起動ブロックが起動ディスクだと認識したディスクである wd1 をマウントしようとします。 しかし、実際には起動ディスクは wd2 なので失敗してしまうのです。 この問題を解決するには、以下のどれか一つを行ってください。
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1.26. | メモリの大きさの制限は? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
認識できるメモリの上限は、4GB です。 この構成は試験済みで、 詳細は wcarchive's configuration をご覧ください。 このようにたくさんのメモリをマシンに導入しようという場合には、 注意が必要です。ECC 機能をサポートし、なおかつ 容量性負荷 (訳注: 多くのメモリ素子は容量性負荷として働きますが、 メモリバス上に容量性負荷が増えると信号の伝達が遅れ、誤動作の原因となります) を 低減させるため、18 チップ構成のメモリモジュールより 9 チップ構成のメモリモジュールを選択することが、おそらく望ましいでしょう。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.27. | ffs ファイルシステムの大きさの制限は? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ffs ファイルシステムの場合、 論理的な最大の上限は 8 TB (2G ブロック)、 デフォルトのブロックサイズを 8K とすると 16 TBとなります。 実際問題として、1 TB のソフトウェアの限界がありますが、 修正すれば 4 TB のファイルシステムが可能です (実際に存在します)。 一つの ffs のファイルの最大のサイズは、ブロックサイズが 4K の場合で 約 1G ブロック (4 TB)です。 表1.2 最大ファイルサイズ
fs ブロックサイズが 4K の場合は三重間接ブロックが使用され、 いずれの場合でも三重間接ブロックを使用して表現できる最大の fs ブロック番号 (およそ 1K^3 + 1K^2 + 1K) に制限されるはずなのですが、 実際は fs ブロック番号の (間違った) 上限 1G-1 で制限されます。 fs ブロック番号の制限は 2G-1 となるはずです。2G-1 付近に fs ブロック番号のバグが多少ありますが、fs ブロックサイズが 4K の場合は、ここまでのブロック番号には到達しません。 ブロックサイズが 8K 以上の場合、いずれの場合も fs ブロック番号の上限 2G-1 で制限されるはずですが、 実際は fs ブロック番号の上限 1G-1 で制限されます。 例外的に -STABLE では三重間接ブロックまでは到達しないため、 制限は二重間接ブロックで表現できる最大の fs ブロック番号 (およそ (blocksize/4)^2 + (blocksize/4)) となります。 -CURRENT ではこの制限を超えると問題を引き起こすかもしれません。 正しい制限値である 2G-1 ブロックを使用すると明らかに問題が出ます。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.28. | フロッピーに 1 TB のファイルを格納するには? 寄稿: Bruce Evans、1998 年 9 月 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
わたしのところでは、 フロッピーにいくつかの実際のファイルを保存しています :-)。 最大のファイルサイズは最大のディスクサイズとはあまり関係はありません。 最大のディスクサイズは 1 TB です。 ファイルサイズがディスクサイズより大きくなりうるというのは仕様です。 以下の例は、32K のディスク容量 (3 つの間接ブロックと 1 つのデータブロック) を使って、 小さなルートパーティションに 8T-1 の大きさのファイルを作成します。 ここでの dd コマンドは大きなファイルが扱えるものが必要です。 % cat foo
df .
dd if=/dev/zero of=z bs=1 seek=`echo 2^43 - 2 | bc` count=1
ls -l z
du z
df .
% sh foo
Filesystem 1024-blocks Used Avail Capacity Mounted on
/dev/da0a 64479 27702 31619 47% /
1+0 records in
1+0 records out
1 bytes transferred in 0.000187 secs (5346 bytes/sec)
-rw-r--r-- 1 bde bin 8796093022207 Sep 7 16:04 z
32 z
Filesystem 1024-blocks Used Avail Capacity Mounted on
/dev/da0a 64479 27734 31587 47% / | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.29. | 新しいカーネルをコンパイルしたら、起動時に
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ローダがスタートする前の | が表示されているときに何かキーを押すことで、 起動のセカンドステージから直接、起動するカーネルを指定して起動することができます。 特に、カーネルのソースを更新し、make world しないで新しいカーネルだけインストールした場合にこの症状が現われます。 こういう操作は動作が保証されません。きちんと make world してください。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.30. | 3.X から 4.X にアップグレードするにはどうしたら良いのですか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アップグレードには、 バイナリスナップショットを使うことを強くおすすめします。 4-STABLE スナップショットは releng4.FreeBSD.org から入手可能です。 ソースを使ってアップグレードする場合は、詳細について FreeBSD ハンドブックを参照するようにしてください。 注意:ソースを使ったアップグレードは、 慣れていないユーザにはまったくおすすめできません。 3.X から 4.X への場合は特にそうです。 ソースを使ったアップグレードを試す前に、 手順を注意深く読むように心がけてください。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.31. | 「セキュリティプロファイル」 (「security profiles」) とは何ですか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「セキュリティプロファイル」とは、特定の プログラムやその他の設定を有効にしたり無効にすることで、求める 比率で安全と便利さを実現しようとする構成の選択肢の集まりの ことです。セキュリティプロファイルが厳しいほど、デフォルトで 有効になるプログラムが減ります。これは、動かさなければならない もの以外は、何も動かしてはいけないというセキュリティの 基本的原則の一つです。 セキュリティプロファイルは、単にデフォルトの設定である
ということに気をつけてください。FreeBSD をインストールした
あとに 以下に、各セキュリティプロファイルが何を行うかを説明した 表を掲載します。列はセキュリティプロファイルの選択肢で、行は 有効または無効になるプログラムや機能です。 表1.3 指定できるセキュリティプロファイル
警告:セキュリティプロファイルは魔法の薬ではありません。 High に設定したら、適当な メーリングリストを読んだり、良質なパスワードや パスフレーズを用いたり、セキュリティについてのよい習慣を 守ったりしなくていいわけではありません。求めるセキュリティと 便利さの比率を手軽に設定してくれるだけです。 注記:セキュリティプロファイルの機構は、FreeBSD を最初に インストールする時に使うことを想定しています。すでに FreeBSD がインストールされているなら、単に求める機能を 有効にしたり無効にしたりする方が、おそらく効率が よいでしょう。もし、本当にセキュリティプロファイルを 使いたいのであれば、sysinstall(8) を再実行すれば 設定できます。 |
本文書、および他の文書は ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/doc/ からダウンロードできます。
FreeBSD に関する質問がある場合には、
ドキュメント を読んだ上で
<questions@FreeBSD.org> まで (英語で) 連絡してください。
本文書に関する質問については、
<doc@FreeBSD.org> まで電子メールを (英語で) 送ってください。