この文書は第 BookView バージョン 3.2.1 に対応しています。
Copyright (c) 1997-2004 Motoyuki Kasahara
BookView は Tcl/Tk で書かれた NDTP (Network Dictionary Transfer Protocol) クライアントです。 動作させるには Tcl/Tk 8.3 かそれ以降、もしくは 8.0jp (`jp' は日本語対応 バージョンを意味します) のいずれかが必要です。
BookView はフリーソフトウェアです。あなたは、Free Software Foundation が公表した GNU General Public License (GNU 一般公有使用許諾) バージョン 2 或いはそれ以降の各バージョンの中からいずれかを選択し、そのバージョ ンが定める条項に従って本プログラムを再頒布または変更することができます。
BookView は有用とは思いますが、頒布にあたっては、市場性及び特定目的適合 性についての暗黙の保証を含めて、いかなる保証も行ないません。詳細について は GNU General Public License をお読みください。
UNIX 系システム上でコマンドラインから BookView を起動するには、次のよう にします。
/usr/local/bin/bookview
(BookView を /usr/local
以下にインストールしたと仮定しています。)
環境変数 BOOKVIEW_LANG
は BookView が表示するメッセージの言語を
決定します。
デフォルトでは、日本語が選択されます。
変数を en に設定すると、英語のメッセージを表示するようになります。
現在のところ、メッセージは日本語と英語が利用できます。
wish
のオプション一覧
以下のオプションは wish
によって解釈されます。
-colormap new
-display display
-geometry geometry
-name name
-sync
-visual
--
bookview
のオプション一覧
以下のオプションは bookview
自身によって解釈されます。
-bg color
-fg color
-fn font
-fk font
-iconic
-title title
-version
ファイル メニューの中の 設定... を選んでください。
セットアップ用のサブウィンドウが現れます。 サブウィンドウにはサーバの枠が 3 つありますので、最大 3 台までサーバを 指定することができます。
ホスト名のエントリには、ホスト名 (例: localhost) もしくは アドレス (例: 127.0.0.1) を指定することができます。
ポートのエントリには、サービス名 (例: ndtp) もしくはポート番号
(例: 2010) を指定することができます。
ポートのエントリにはデフォルトでサービス名 ndtp が指定されて
いますが、あなたのシステムが ndtp をサービス名として認識しない
と使えません。
UNIX でも Windows でも、システムの設定ファイルを編集することで、サービス名
ndtp を登録することができます
(「services
ファイル」を参照のこと)。
ファイルを編集できないか、したくない場合は、ndtp の代わりにポー
ト番号を指定して下さい。
各サーバエントリには、さらに オプション というエントリがあります。 このエントリの中では高度な設定パラメタを設定するが可能です。 あなたがまだ BookView に慣れていないのであれば、このエントリはそのまま にしておきましょう。 エントリの中のオプションパラメタはセミコロンで区切らなくてはなりません。 現在のところ、以下のオプションが指定可能です。
group=グループ-ID,題名,書籍-ID[,書籍-ID...]
all
という
書籍グループを自動的に定義します。
グループ名には 等号 (=
)、コンマ (,
)、
アットマーク (@
)、空白およびタブは使えません。
start=書籍-ID
@all
)。
demand-load=書籍-ID[,書籍-ID...]
以下は、オプション列の例です。
start=super2000/chujiten; demand-load=super2000/kojien,izumi/file1
セットアップが終わったら、サブウィンドウの中の 了解 ボタンを クリックしてください。 サブウィンドウが閉じられます。 設定内容は 設定ファイル に記録されます。 このファイルは BookView 起動時に自動的に読み込まれますので、BookView を 次回起動したときに再度セットアップを行う必要はありません。
中止 ボタンをクリックすると、サブウィンドウが閉じられ、 サブウィンドウ内で行われた編集内容はすべて破棄されます。
services
ファイルOS にサービス名 ndtp を認識させたければ、システムの設定ファイル を編集してください (セットアップ を参照のこと)。 編集できないか、したくないのであれば、代わりにポート番号を使用して ください。
Windows では設定ファイルは、\WINDOWS\SERVICES
になります。
UNIX 系 OS では通常このファイルは /etc/services
になりますが、
もしあなたのホストが NIS クライアントならば、代わりに NIS サーバ上にある
NIS のマップを修正しなくてはなりません。
ファイルの形式は、Windows でも UNIX でも同じです。
サービス名 ndtp を登録するには、ファイルに次の行が無ければ 足します。
ndtp tcp/2010
次のように、システムの services
ファイルにはすでに別の
サービス名で tcp/2010 というエントリが入っているかも
知れません。
search tcp/2010
この場合は、ndtp というサービス名を別名としてその行に 追加して下さい。
search tcp/2010 ndtp
(詳しくは、あなたのシステムのマニュアルをご覧下さい。)
Bookview が終了したときと、あなたがセットアップウィンドウの
了解 ボタンを押したときに、その時点での設定がファイルに記録
されます。
UNIX では、この設定ファイルは ~/.bookview
になります。
Windows では、BookView を C:\\Program Files\\BookView
に
インストールした場合は、C:\\Program Files\\BookView\\setup
になります。
設定ファイルは、BookView のスタート時に自動的に読み込まれます。
UNIX 系 OS では、システム共有のセットアップファイルを用意することも できます。 あなたのシステムにユーザが複数いるなら、ユーザが自分でセットアップ する必要がなくなるので、このファイルの存在は便利でしょう。
共有の設定ファイルは、/usr/local/etc/bookview.conf
になります。
(BookView を /usr/local
以下にインストールしたと仮定しています。)
個人の設定ファイル (~/.bookview
) と共有の設定ファイルの形式は
同じです。
共有の設定ファイルを用意するには、誰かが BookView を起動し、
セットアップウィンドウで設定を行い、~/.bookview
を
/usr/local/etc/bookview.conf
にコピーして下さい。
設定ファイルを読み込む際、BookView は個人の設定ファイルが開けるか どうか試し、次に共有のファイルを試します。 BookView が読み込むのはどちらか一方であり、両方ではありませんので、 ご注意ください。
この章では、BookView の基本的な使い方を説明します。
サーバ メニューをクリックしてください。セットアップのところ で指定したサーバがここに並べられます。
その中からサーバを一つ選ぶと、BookView はそのサーバに接続します。 サーバに対して start book ID を設定していれば、BookView は接続時に その書籍を選択します。 設定していなければ、サーバが提供している書籍の一覧が表示されます。
選択しているサーバの持っている、利用可能な書籍および書籍グループ (セットアップ を参照のこと) の一覧が 書籍:メニューに並べられます。 一覧の中の書籍もしくは書籍グループを一つ選んでください。
BookView は以下のような 検索方式 に対応しています。
これら検索方式の名前は 方式: メニューにも並んでいます。
検索はこのメニューの中で選択されている方式に応じて行われます。 無効になっている検索方式は、現在選択している書籍がその検索方式に対応して いないことを意味します。 選択している書籍が書籍グループの場合、BookView はすべての検索方式を有効 にしますので注意してください。 たとえ、書籍グループの中の書籍がいずれもある検索方式に対応していなかった としても、すべての検索方式を有効にします。
検索したいパターンを 単語: エントリに入力して、Return を叩くか 検索 ボタンをクリックしてください。
条件検索を行う場合は、次のようにキーワード同士をセミコロン (;) で区切って書き並べて下さい。
have; to; do
キーワードは最大 5 個まで指定できます。
BookView は、選択している検索方式に応じた検索要求を接続中のサーバに 対して送り、サーバから返事を受け取ります。 入力した単語にマッチした候補は一番目のテキスト領域 (ヒット 領域) に並べられます。
各候補の末尾には (->本文) が付いています。 そこをクリックすると、対応する本文が二番目のテキスト領域 (本文 領域) に表示されます。
利便性を考慮して、特殊文字がパターン内にあると選択中の検索方式よりも 優先されるようになっています。
クリア ボタンは 単語: エントリの内容を消去します。
選択した書籍が メニュー検索 に対応していた場合、ツールバーの メニューボタンと 表示 メニューの メニュー コマンドが使用できるようになります。 メニュー検索モードにするには、ボタンをクリックするかコマンドを選択して 下さい。
選択した書籍が 著作権表示 を持っていた場合、RIGHT ボタンとツールバーの 表示 メニューの 著作権 コマンドが押せるようになります。 著作権表示を見るには、ボタンをクリックするかコマンドを選択して下さい。
本文領域に表示された本文が参照先を持っていると、青色かつ下線付きで (->参照) と表示されます。 そこをクリックすると、参照先の本文が表示されます。
BookView は 本文領域に表示した本文の履歴を記録しています。 履歴はメニューバーの ジャンプ メニューの中に並べられます。
その中の一つを選択すると、BookView は対応する本文を本文領域に表示します。
左矢印ボタンをクリックするか、ジャンプ メニューの 一つ前へ コマンドを選択するか、Alt+Left を叩くと、 履歴リストを一つ進みます。 右矢印ボタンをクリックするか、ジャンプ メニューの 一つ後へ コマンドを選択するか、Alt+Right を叩くと、 履歴リストを一つ進みます。
BookView が本文領域に表示している本文の一つ次の項目を見るには、 Alt+J を叩くか、ウィンドウ底部の下向き矢印ボタンをクリックするか、 ジャンプ メニューの 一つ後の項へ を選択します。
一つ前の項目を見るには、Alt+J を叩くか、ウィンドウ底部の 上向き矢印ボタンをクリックするか、ジャンプ メニューの 一つ前の項へ を選択します。
ファイル メニューの中にある 終了 コマンドを 選択すると、BookView が終了します。
この章では、エキスパートユーザ向けの BookView の機能を説明します。
検索 ボタンと クリア ボタンの間に 選択検索 ボタンがあります。 選択検索 は セレクションの検索 (Query Selection) を行うショートカットボタンです。 単語: エントリの内容を消去し、セレクションをエントリに貼り付け、 その単語を検索します。
表示 メニューの 選択から検索 コマンド、 Alt+Return も同じ動作をします。
表示 メニューの 本文から探索... コマンドと ツールバーのルーペボタンは同じ働きをします。 これらは、本文領域内の単語を探すときに用います。
このコマンドを選択すると、本文の単語を探索 サブウィンドウが 現れます。
探索: エントリに探したいパターンを入力し、Return を 叩くか、探索 ボタンをクリックすると、BookView は本文領域から パターンを探し出します。
表示 メニューの 書籍一覧 コマンドを選択すると、 BookView は現在のサーバが提供している書籍の一覧を表示します。
サーバとの接続が確立したとき、そのサーバに対して start book ID を設定 していなければ、Bookview はこの一覧を自動的に表示します。
表示 メニューの中の ビットマップの表示 チェックボタンでテキスト中のビットマップの表示、非表示を切り替えることが できます。
デフォルトでは、ビットマップを表示します。 ただし、この選択順序の中のどのサイズのビットマップも CD-ROM 書籍が持って いなかった場合は、このボタンの設定に関係なく、ビットマップは表示されません。
表示 メニューの中の ツールバーの表示 チェックボタンでツールバーの表示、非表示を切り替えることができます。 デフォルトでは、ツールバーを表示します。
表示 メニューの テキストの行間隔 コマンドは、 カスケードメニューを持っています。
BookView の機能はすべて、キーボードから呼び出すことができます。 この章では、キーボードで BookView を操作する方法について説明します。
次に挙げたキー操作は、ウィジェットのフォーカスを移動させます。 これらの操作は、BookView のメインウィンドウ上のどこからでも検知されます。
グラブされたメニュー内では、次の操作が可能です。
その他にもいくつかの操作が Tk 自身によって定義されています。 詳しくは menu(n) のマニュアルページをご覧下さい。
単語: エントリ内では、次の操作が可能です。
その他にもいくつかの操作が Tk 自身によって定義されています。 詳しくは entry(n) のマニュアルページをご覧下さい。
ヒット領域内では、次の操作が可能です。
その他にもいくつかの操作が Tk 自身によって定義されています。 詳しくは text(n) のマニュアルページをご覧下さい。
本文領域内では、次の操作が可能です。
その他にもいくつかの操作が Tk 自身によって定義されています。 詳しくは text(n) のマニュアルページをご覧下さい。
これらの操作は、BookView のメインウィンドウ上のどこからでも検知されます。
BookView について、よく訊かれる質問をいくつかまとめました。
TK_KCPROTO
が設定されていない限り、プロトコルは
次の要領で選択されます。
環境変数 XMODIFIERS
を設定していてその値が空でなければ、
Tk8.0jp インタプリタは XIM プロトコルで kinput2 と通信しようとします。
それ以外の場合は、kinput プロトコルが使用されます。
気を付けておきたいのは、kinput プロトコルを使おうとして
XMODIFIERS
を @im=none に設定した場合も、XIM
が選択されてしまうことです。
この場合は、XIMODIFIERS
を未設定にするか、
TK_KCPROTO
を kinput に設定して下さい。
TK_KCPROTO
を設定するには、次のようにします。
(csh, tcsh のような C 互換シェルの場合) % setenv TK_KCPROTO kinput
(sh, ksh, bash, zsh のような Bourne 互換シェルの場合) $ export TK_KCPROTO; TK_KCPROTO=kinput
bookview*tkKinputStartKeys: <Shift-space> <Control-backslash>